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海とともに、
生きるまち。

05.銀鮭

朝3時、船が出ると、空はほどなく白み、銀鮭の養殖いけすが朝日で真っ赤に染まる。
 
南三陸町は銀鮭養殖発祥の地だ。
昭和51年に南三陸で始まった養殖は県内に広がり、今では宮城県の銀鮭生産量が全国の90%を占めるまでになった。

手塩にかけて育てた銀鮭を収穫するのは4〜7月。銀鮭たちがエメラルドグリーンに光る身体をビチビチッとくねらせると、いけす全体に水しぶきが立つ。
漁師たちは銀鮭を傷つけないように、たもで捕獲していく。

鮮度を保つために、船上で神経締めなどの作業を行い、朝7時には魚市場に水揚げする。

天然の鮭は稚魚を放流してから収穫まで4年から7年かかるが、銀鮭は1年半で大きくなる。養殖の場合はさらに早く、11月に海に入れると、7月中には出荷できるという。

潮通しのいい沖合にフレームを組み、網を取り付けて養殖用のいけすを建設。10月末に内陸で育てた幼魚をそのいけすに入れる。それからはほぼ毎日、早朝と夕方の2回、いけすに通い、えさやりをする。そして、春から初夏に収穫・出荷の時を迎える。南三陸の銀鮭を最高品質にしているのは、毎年の経験の中で培ってきた養殖技術だ。

 その技術は、懸命な日々の結晶だ。刺身でおいしく食べられる、とろけるような「南三陸の銀鮭」を、旬の夏に召し上がれ。

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