27.シロウオ漁
歌津・伊里前川には、伝統的なシロウオ漁が伝わる。川の中に石を幾何学状に積み上げて造った「ザワ」と呼ばれる仕掛けに、潮の満ち引きを利用してシロウオを追い込むという昔ながらの漁法である。「ザワ」の頂点のところには網籠が取り付けられていて、ここに満潮で川を遡上してきたシロウオが入る。この伝統漁は、歌津だけに伝わる貴重な技だ。
美しい水が流れている川にしかシロウオは生息しない。震災で大きな被害を受けた伊里前川だが、以前と変わらず今も、シロウオが生息できる良質な環境を維持している。半透明のシロウオが透きとおった水の中で元気に泳ぐ。
5月がシロウオ漁の最盛期。捕獲されたシロウオは、南三陸に春が来たことを知らせてくれる。5月にハマーレ歌津を会場に行われる「シロウオまつり」では、シロウオの躍り食いも体験できる。