南三陸とサポーターの絆をインターネットで育む
『南三陸deお買い物』は、南三陸町の今を伝えるインターネット・ショッピング・サイトだ。町の人たちの顔が見える親しみやすいサイトである。このサイトを運営しているのが伊藤孝浩さんだ。『被災地でがんばるお店と福興を願うサポーターの絆を育みたい』とバナーに掲げる願いは、南三陸町みんなの気持ちでもある。
このインターネットショップには、北海道から沖縄まで日本中の人たちが買い物に来る。注文と一緒に届くメッセージは、出店者を励ます。伊藤さんは、サイトでの販売だけでなく、イベントや企業との連携で、南三陸の商品の販路を作り出してもいる。
震災の時は中国の青島にいた。『世界から飢えと貧困をなくす』という社是にひかれて勤めた外食チェーンの青島の工場で、駐在員として働いていた。ふるさとの被災状況を知り、仕事の傍ら、インターネットの安否確認情報まとめや南三陸町支援情報ポータルサイトの運営に携わった。南三陸に帰ったのは、4月になってからのことだった。ふるさとがなくなったと思った。
「戻ろう。」 伊藤さんは決心した。2012年5月に退社し、東京のパートナーと準備を進め、6月に南三陸町で活動を始めた。地道に家族経営でがんばっている漁師やお店を応援したいと思っている。また、四季折々の季節感あふれる商品ラインナップを揃えようと活動している。
インターネットを通して知り合った人が、実際にはるばる伊藤さんを訪ねてきてくれたことがある。うれしかった。「サイト運営を通して、南三陸のいろいろな方に出会えるし、全国各地の方々とも知り合える。毎日がとても楽しいんです。」と伊藤さんは語ってくれた。
高校から離れていた南三陸に、海外での仕事を投げ打って、彼は帰ってきた。「震災がなかったら、帰って来なかったと思います。」 美しい海を見ながら暮らせる町、自然の恵みあふれる南三陸を取り戻したい。伊藤さんの夢は、海が臨める場所にカフェを開くことだ。そのカフェの一隅から、伊藤さんはきっと南三陸と多くの人々とをつなげてくれることだろう。
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Mr.Takahiro Ito
“Minamisanriku de Okaimono (Shopping in Minamisanriku)” is the website for shopping in Minamisanriku “now.” Mr.Takahiro Ito manages this site.
People from all over Japan visit this portal site for shopping.The messages sent along with the orders have been encouraging Minamisanriku’ s retailers. Also, Mr. Ito has developed the market for Minamisanriku’ s products through events and special promotions with businesses.
On March 11, 2011, Mr. Ito was working for a restaurant chain in Chingtao in China as a factory superintendent. When he temporary returned to Minamisanriku in April, his hometown had disappeared. “I will return,” Mr. Ito made up his mind. In June 2012 he came back to Minamisanriku and started to go into action. He hopes to encourage the fishermen and store owners to steadily do their best with their family-run businesses.
“By managing the website, I get to meet various people in Minamisanriku and also become acquainted with many people from all over the country. Every day is very pleasant.” said Mr. Ito.
Giving up his work overseas, Mr. Ito came back to Minamisanriku. He had left here when he was a senior high school student. “I think that I would have never come back here if not for the earthquake disaster.”
“I hope I can help to restore Minamisanriku, where we can live with the beautiful sea and enjoy a town full of natural blessings,” he said with his eyes shining.