南三陸町に本格タイ料理レストランがあるって知っていますか?歌津北ICから降りて、車で約5分、高台にたたずむお店があります。「和sian-cafe aimaki(ワジアン・カフェ・アイマキ)」です。
地元の人から愛され、県外からも多数の有名な料理人が訪れるaimaki。料理雑誌にも頻繁に取り上げられています。今回は、aimakiのマスター高橋大吾さんに料理のこだわりと新たな挑戦について取材してきました。
祖母に喜ばれたことがきっかけで料理人に
タイの二つ星レストラン修行経験も
高橋さんが料理人を目指すことにしたきっかけは、おばあさんのある一言だったそうです。
「小学生の時から、友達にパスタ料理をご馳走したり、手作りクッキーを配ったり、料理することは好きだったんです。中学生の時、祖母から『大吾ちゃんは、料理が本当に上手だね!』と言われたんです。自分が作った料理を喜んでもらえるのっていいなと思って、料理人になろうと決めましたね」
高橋さんは学校を卒業後、仙台のロイヤルパークホテルの中華部門に配属。その後、独立して、岩手県の一関市で和sian-cafe aimakiをオープンしました。2010年頃まで、冷麺や水餃子、チャーハンなどの中華を含むアジア全般料理を提供していましたが、途中からタイ料理にシフトチェンジしたといいます。
「もともと外国に行って、現地の料理を食べたり、調理法を学んだりするのが趣味だったんです。2011年ごろ、タイの二つ星レストランで本格的に修行させてもらって、料理のレパートリーが増えました。お店でも、ちょっとずつタイ料理を出すようになったら、好評で。それをきっかけに、日本人も美味しく食べられるタイ料理店というコンセプトに変えていきました」
2017年には、高橋さんの地元、南三陸町歌津地区にお店を移転しました。そんなaimakiの看板メニューはガパオライス。季節限定メニューの牡蠣のガパオライスには、南三陸産の牡蠣やホタテがゴロゴロ入っていて満足度が高いと評判の一品です。
本や動画で調理方法の情報収集をしたり、自分でもワインの試飲や新しい食材の試食を重ねたりと、料理への情熱が止まらない高橋さん。日々の努力の積み重ねとあくなき探究心が、リピーターを増やす理由なのかもしれません。
aimakiの新たな挑戦「歌津に観光と交流の場をつくりたい!」
aimakiの新しい挑戦として、新店舗のオープンを予定しています。歌津地区の海沿いに「観光と交流の場をつくりたい!」と、高橋さんの奥様、美由紀さんが中心となり、計画を進めていると言います。
「震災後、歌津地区に住宅や町民向けの商店街は建てられましたが、自分たちが旅先などで感じた温かみのある場所が欲しいなと感じていたんです。2021年に、歌津地区の津波跡地造成が決まり、事業者を募集していたんです。コロナの影響でお店の売上が減っていた時期だったので、『何かやらねば』と思い、新店舗のオープンを考えたんです。様々な方と相談してみて、約22坪ほどの小規模な複合店舗を建設することにしました。やるからには地域に貢献できることをしたいなと思って、地域の方も観光客の方も利用できる施設にしようと進めています」
補助金と融資で足りない資金を補填するため、2022年にはクラウドファンディングを立ち上げました。最終的に、目標金額380万を上回る支援を集めることができました。
「補助金申請や建築の設計のやりとりなど、難題は多々ありますが、たくさんの方々からの応援に支えられて、心折れずに準備が進められています。観光と交流の場づくりを目的にしていますが、もう1つ子供たちが地元に戻って来られる町にしたいという思いもあるんです。飲食店ってお客様に美味しいって喜んでもらえる最高の仕事なんです。自分が大好きな仕事を通じて、もっと地元を盛り上げて行けるように頑張っていきます」
計画では、海の見えるカフェレストラン、セレクト雑貨ショップ、レンタルスペースを含めた複合施設を2023年秋にオープン予定。進化を続けるaimakiと新たなお店のオープンが楽しみですね。
店舗情報
和sian-cafe aimaki
営業時間:ランチ11〜14時 カフェタイム15時〜17時 ディナー17時〜19時 19時以降要予約
定休日:水曜日
電話番号:0226-29-6809
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