横須賀市立新明中学校様「震災語り部講話・オンライン」プログラム実施レポート
■実施概要
【団体】横須賀市立神明中学校
【日時】2021年4月16日 11:00~12:45
【人数】162名
神奈川県横須賀市にある横須賀市立神明中学校は1979年(昭和54年)に設立された中学校です。当時、4歳前後だった生徒に対して、震災当時の経験を風化させないようにと先生からお問い合わせがありました。
■目的
今回の依頼者は、ご自身も南三陸町歌津地区出身の熊谷先生です。
ご自身の地元で起きたことについて、震災を覚えていない世代に知ってもらい、災害の恐ろしさや教訓を学んでもらおうと実施しました。
■実施プログラム
「震災語り部講話・オンライン」を実施。
※「震災語り部講話・オンライン」は、2020年7月に新しく誕生し、その名が示す通りオンラインのビデオ通話システムを介し、語り部から受講者の皆様に東日本大震災の体験談や、現在に至るまでの復興の道のりをお話させていただく講話スタイルのプログラムです。「修学旅行等の事前学習・課題研修・防災学習」でのご利用をご提案します。クラスごとの複数回線接続も可能です。
■体験の様子
・プログラムの流れ
(1)オープニング
(2)個人としての震災の体験談(佐藤慶治さん・菅原清香さん)
(3)質疑応答
まずは、佐藤慶治さんによる当時のお話から始まりました。佐藤さんは震災当時、高校生でした。受講してくださった生徒さんは、当時の年齢が近い佐藤さんのお話を真剣に聞いていました。志津川少年自然の家で被災した際の、人命救助の話の際には生徒さんも言葉を失ったように聞き入っていました。
続いて、菅原清香さんによるお話が始まりました。菅原さんは、震災当時ご自宅にいて、津波の被害は受けなかったものの、石巻に出かけていた息子さんとお会いできたのは4日後だったお話をしてくださいました。また、菅原さんは講話の最初と最後に「自分がいま幸せかどうか」を尋ねているとおっしゃっていました。「普段の生活では自分の幸せに気づけない。自分の身に何かあってから日常の幸せに気付く。」という菅原さんの言葉の重みに、学生さんも頷きながら聞いていました。
■最後に
オンライン語り部を通じて、貴重な経験をすることができたとおっしゃっていました。生徒さんの一人が、「自分の住んでいる横須賀も海が近く、いつか地震が来た際には津波が来るといわれているので、今回の講話を自分に役立てていきたい」とおっしゃっていました。パワーポイントを用いたオンライン語り部は、コロナ禍で現地に来ることの出来ない今、震災を風化させないためのツールとして活躍しています。語り部の方と生徒さんの距離の近さは、オンラインだからこそ実現できる強みです。
多くの方に、オンライン語り部を受講していただき、震災の経験や教訓を通じて防災意識の向上や、万が一災害に遭った際に生かしていただけたら幸いです。