大和町立大和中学校様【貯金タコ絵付け体験】実施レポート

■実施概要

【日時】2023年5月12日 13:20~15:00

【団体】大和町立大和中学校様 

【人数】36名

 

 教育旅行や体験学習では、普段の学校生活とは違う環境で、クラスメイトの思わぬ一面を垣間見ることが出来たり、作業をしながら現地の人や友人同士とコミュニケーションを図り親睦を深めることが出来るのが大きな魅力の一つです。

 森里海のそれぞれのフィールドでさまざまな体験プログラムが提供されている南三陸ですが、里山にある入谷地区で活動するYES工房は、人気コンテンツを数多く提供。その中でも、比較的新しく始まった体験プログラム「貯金タコ絵付け体験」を紹介します。

 東日本大震災後、地域住民の「雇用」と「交流」の場づくりを目指し立ち上がったYES工房では 「楽しく学ぶ」をコンセプトに、地域資源を活用したモノづくりを通じて、南三陸の魅力や歴史に触れるワークショップを行っています。木工体験、まゆ細工体験、オクトパス君絵付け体験など、様々な体験を教育旅行でも受け入れ、その数は年間4000名以上にのぼります。

 ひと言に教育旅行といっても、20人ほどの少人数から、1学年200人を超えるような大規模な学校まで受入人数は大小さまざま。特に大規模な体験プログラムを受け入れの際にネックとなるのが、プログラム時の会場キャパシティーの問題です。

 YES工房では、廃校になった中学校の体育館を活用したワークショップ会場を保有しています。ここでは180名超で受け入れが可能。屋内で大人数が受け入れられることで、天候に左右されずスケジュールを立てやすいと好評を得ています。

 さらにこの日は、同一会場で2つの体験プログラムを同時進行。オクトパス君貯金箱作りの体験と併せて行われていたのは、同じくYES工房の人気体験プログラム「南三陸杉の杉枝スプーンフォーク作り」。さらに、体育館から徒歩2分ほどのYES工房では、もう1グループが別の体験を行っていました。同一時間帯に一つの受け入れ先で3つの体験プログラムを同時進行できることは、興味関心に合わせて選択できる生徒にとってのメリットはもちろん、引率する教員のみなさんにとっても非常に好評のようでした。

 「教育旅行の受け入れで、3つのプログラムを同時進行させるというのは、今回が初めての体験でした。細やかなニーズに沿って体験を提供できることは価値になると思う」とYES工房代表の大森丈広さんは話します。

 「貯金タコ絵付け体験」は、南三陸町の名産であるタコをモチーフとした「置くと(試験に)パス」する縁起もの「オクトパス君」の貯金箱を、絵付け体験として2021年からプログラム化されたものです。

 「それまでYES工房ではオクトパス君の文鎮の色塗り体験が主な体験でした。より自由に気軽に、そして参加者のみなさんの個性が存分に活かせるような体験をできるプログラムを考えていたときに、オクトパス君貯金箱の色塗りを開発しました」と大森さんは開発のきっかけを話します。

 「まずはモノづくりを楽しんでいただくことを第一に!」の言葉とともにプログラムを開始。まっさらな陶製の素焼きのオクトパス君にカラフルなアクリルガッシュを使って自由に色を塗っていきます。

 開始の合図とともに、勢いよく絵の具を取り出し、塗っていく生徒もいれば、じっくりと考える姿が印象的な生徒、友人らと「どうしようかね」とお話しながらアイディアを考えていく生徒も。通常の学校生活ではないところで、クラスメイトの思わぬ一面を発見する機会にもなりそうです。

 プログラム中はYES工房スタッフが積極的に生徒との会話を楽しむ光景が広がります。

 「この色どうやって作ったの?すごいね〜」「これなんのキャラクター?」「すごいかわいい!」というプログラムに関わるテーマから、「今日のお昼ごはんどうだった?」「昨日はどんなことしたの?」「宿からの景色すごかったでしょ?」など南三陸滞在に関わること、さらに「部活は何してるの?」など学校生活や日常生活まで話題は膨らみます。プログラムを通して地元住民と触れ合うことができるのもポイントの一つです。

 体験プログラムは約90分。絵の具はすぐに乾くので、そのままお持ち帰りが可能なのも嬉しいポイントです。

 「かわいいのが出来たのでいい思い出になります」

 「オクトパス君がかわいいので、それを忠実にやってみた」

 「ゲームのキャラクターを書いてみました!」

 「アニメや漫画でハマっているキャラクターを意識して塗ってみた!」

 「これでお金いっぱい貯めたい」

 など生徒の顔もほころびます。作品を披露しあって思わぬ出来上がりに友だち同士も大盛り上がり。

 「まっさらな状態から何の制限もなく自由に描くことが出来るのが面白い。それぞれの個性を生かして仲良く交流できている姿がよかった」と先生からも好評の声があがります。

 震災後、何があっても前向きに「YES!」と言う姿勢を込めた意味もある「YES工房」。 そんな思いを持っているからか、スタッフとの交流からもポジティブで柔らかい雰囲気で時間は進みます。100人いたら100通りの正解がある「貯金タコ絵付け体験」。それぞれの個性が尊重され、チームビルディングも図れる体験を教育旅行に取り入れてみませんか?

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