復興災害住宅の工事が進む入谷桜沢地区の
100メートル程先、ひころの里への登り口に
古い神社がたたずんでいます。
江戸時代、入谷の里に養蚕の技術を広めた人
山内甚之丞が(1695~1778年)
祀られている「雲南神社」です。
今回は、
震災前、町のふるさと講座で学んだ
町の発展の礎となった養蚕の歴史にちょっと
触れてみたいと思います。
入谷の里で飼われているお蚕さん!
その昔、入谷地区は金の産地でした。
奥州藤原氏の黄金文化を支え、平泉中尊寺金色堂にも
この地の金が使われたと言われています。
一時期、金を求めて人が集まり「入谷千軒」と呼ばれる程の
集落ができ、ゴールドラッシュに沸いた時代もありました。
やがて
金は掘りつくされ、生業を失い生活に苦しむ入谷の地区に
新たな産業として養蚕の技術を広めた人が山内甚之丞でした。
入谷の気候(ヤマセが濃霧を運ぶ風土)は桑の生育に適し、
生糸を紡ぐのに必要な清水も豊富で、入谷産生糸の品質は
仙台藩でも最高の品質で、「金華山」と名付けられ
絹袴地「仙台平」に使用されるようになりました。
こうして
入谷の地は養蚕、生糸生産の中心として
また人々が集まり、賑わいができ、
再び活気を取り戻していきます。
産金時代~養蚕の時代へと移り変わります。
山内甚之丞は他の地域にも養蚕を広めていき、
養蚕業が町の発展を築いていきます。
時を経て
産業の変化と共に、養蚕は衰退していきます。
南三陸町観光協会は
入谷を救い、入谷から始まったシルクロードの歴史、
忘れられつつある山内甚之丞の功績を分かりやすく、
伝えるために一冊の絵本に描き発行しました。
観光協会ショップ「みなみな屋」と「うたちゃんショップ」で
一冊500円にて販売しております。
今回は簡単に端折ってご紹介しましたが、ひころの里にある
シルク館には展示の他、映像でこれまでの歴史を
知ることができますので、是非一度足を運んでください。
ひころの里の松笠屋敷
シルク館
里から見るシルク館
営業時間 9:00~17:00
ひころの里 入館料 400円
休館日 毎週 火曜日
こちらはひころレディースの皆さんがご案内します。
現在、養蚕農家も少なくなり、
シルク総合開発が35,000匹の初秋蚕を育てています。
マドレーヌでした